角川つばさ文庫の大人気シリーズ『四つ子ぐらし』
あっという間に引き込まれるストーリーと、キュートなイラストがそのファンを増やし続けています。
2021年2月にはマンガ化が実現し、連載がスタートしています。
3月にはボイスドラマの公開も始まり、「次はアニメ化?」という期待も湧いてきて、目がはなせない盛り上がりですね!
今回の記事では、現在8巻まで続く『四つ子ぐらし』の世界を開く扉となる「1巻」をじっくり味わってみたいと思います。
気になったことや感じたこと、そして読者の感想を紹介していきますね!
『 四つ子ぐらし 1巻 』 基本情報
「ひみつの姉妹生活、スタート」
〜ひとりぼっちだと思ってた私……
実は四つ子だった!?〜
ひの ひまり/ 作 ・ 佐倉 おりこ/ 絵
四つ子ぐらし1巻ネタバレー気になるポイントは?ー
『四つ子ぐらし』を実際に読む前は、女の子4人が織りなすキュートな日々を綴ったお話なのかと思っていた方も多いのではないでしょうか。
表紙のイラストが本当にかわいいので、私もワクワクした世界を思い浮かべました。
実際に読んでみると、お揃いの髪飾りをつけたり、お誕生日パーティーをしたり、キュートな日々の要素ももちろんたくさんあるのです。
でもこの四つ子ちゃん、赤ちゃんの時に置き去りにされ、施設や里親さんの元で育ってきたというではありませんか。
あまりにシリアスな設定・・・
でも、そこをサラッと流すことなく、真っ直ぐに彼女たちのこれまでの暮らしや辛い経験や内面も丁寧に描かれているのが『四つ子ぐらし』なのです。
主人公である四つ子の三女「三風(みふ)」の視点と語りで、物語は始まり、進んでいきます。
中学校入学を目前にした三風。
施設などで育った身寄りのない中学生の子どもたちに向けた国の試み「自立生活練習計画」への参加を決心します。
気になるポイント1 自分が一卵性四つ子!!の衝撃。
生まれてから12年間、お互いの存在を知らなかった「四つ子」が顔を合わせるシーンから物語がスタートします。
天涯孤独だと思っていた自分に姉妹がいただけでも驚きですが、それが同じ顔をした四つ子とは相当な衝撃ですよね。
近年の日本では四つ子ちゃんの誕生件数は年に1組〜3組くらい。
四つ子自体がものすごく珍しい。
赤ちゃんの時に四つ子の一花、二鳥、三風、四月は、それぞれ違う場所に置き去りにされました。
「もしかしたらどこかに自分の兄弟、姉妹がいるかもしれない」とまでは考えたことがあったかもしれません。
それが一卵性の四つ子姉妹だったとは、思いもよらなかったでしょう。
このように、かなりレアな設定からスタートするこのお話ですが、どんどん物語に引き込まれていきます。
気になるポイント2 四つ子の名前が素敵すぎる。
四つ子たちはお互いの名前を知り、それぞれに「一」から「四」の漢数字が入っていることから、それが姉妹の順番なのだと判断。
この名前がまたとてもいいんですよね!
漢数字に「花鳥風月」がつけられています。
花鳥風月は自然を重んじる美しい言葉。
四字熟語を名前につけられるのは四つ子の特権ですね!
作者のひのひまり先生の素晴らしい言葉のセンスを感じます。
しかも名字は「宮美(みやび)」ですよ。
「雅」を連想させます。
一花(いちか)
二鳥(にとり)
三風(みふ)
四月(しづき)
「三風」はどうして名前に「三」がついているのか不思議に思ったことがあったようです。
「一花」は一つの花、一人っこでも自然です。
「四月」も誕生日が4月25日なので、そこからとった名前なのかなと思っていたのではないでしょうか?
「二鳥」は二羽の鳥。
二鳥はもしかしたら「うちって双子だったりして?」は思ったことがあるかもしれませんね。
気になるポイント3 内気な三風の揺れる心に共感。
少し内気で優しい性格の三風が、自分の気持ちを口に出せずにいる場面が物語の中には頻繁に出てきます。
育った環境もあってか周囲にどう思われるかを常に気にていて、時折そういう自分が嫌になったり・・・
そんな三風の心の葛藤に、なんだかとても共感し、応援したい気持ちになった方も多いのではないでしょうか。
誰にも頼れずに一人きりで生きていかなくてはならない、というプレッシャーや不安を抱えてこれまでを過ごしてきた三風。
そんな三風が、四つ子と暮らすようになり、家の中でも学校でも家族ができた喜びを、何度も何度も噛み締めるところが大好きです。
身寄りのない孤独感や家族という存在の大切さを、三風の心の声が伝えてくれます。
入学式の後、桜が舞う中の四つ子の記念撮影のシーンのイラストがまたいいです!
三風の笑顔を見るとそれだけで泣きたくなってしまいます。
気になるポイント4 早くもキーパーソンたちの登場。
入学式の日に三風に声をかけてきたクラスメートの野町 湊(のまち みなと)君はとっても好印象ですね。
でも、とても親しげに三風に近づいてくるのがちょっと気になりました。
今後どんな関係になっていくのでしょうか。
母親と名乗る謎の女性の宮美 麗(みやび うらら)の登場もあり、1巻でここまで展開するのか、と驚いてしまいます。
気になるポイント5 四女の四月!その温度差はなぜ?
1巻の表紙のイラストは三風と四月が真ん中に描かれています。
三風は主役なので納得ですが、四月がなぜ?
1巻では、再会を喜び共同生活を楽しむ四つ子たちの中で、一人だけみんなと距離を置く四月にスポットが当てられます。
四月の固く閉じられた心はなかなか開きません。
見た目はそっくりでも相手の心が全然わからない。
12年間、まったく違った環境で育ってきたことの意味を四月以外の三人は思い知らされたことでしょう。
表紙のイラストでは四月は微笑んでいる!期待を持ちたいですね。
ちなみに表紙のイラストで四つ子がきている白いワンピース、とてもキュートですよね。
中学校の制服でもないし、このワンピースはなんだろうと思っていたのですが、その答えは2巻で出てきますよ。
四つ子ぐらし1巻ネタバレー みんなの感想は? ー
ピュアな感想だなあ。素敵です。
『四つ子ぐらし』の読者は小学生、中学生だけではなく、大人も多いですね。そちらも紹介します!
読んでも楽しい!見ても楽しい!
読んでいると、自然と四つ子の中の誰かを特に好きになっていく方も多いようですね。
四つ子ぐらし1巻ネタバレー まとめ ー
1巻は、まだお互いのことをよく知らない4人が、それぞれの過去を抱えながら、共同生活をスタートさせる船出のようなお話です。
離れていた12年の月日は長い。
一方で、四つ子という強い血の繋がりで、ひょいと乗り越えられちゃっている部分もある気がします。
四人の個性が全然違っているのが、場面場面の言葉や行動で引き立っています。
それぞれが心に何かを抱えながら頑張る姿に、読んでいくうちに気づくと感情移入し、「楽しく幸せになってほしい!」という願いが生まれてきました。
感想には、自分の好きな四つ子を書いている方がとても多く、きっと自分との共通点や憧れを見つけ、応援したくなるのかもしれませんね。
1巻を読み終わると、「もう気になることしかない!早く2巻を〜」という状態です。
1巻、内容が濃いですよね。出し惜しみなしです!
ひのひまり先生、デビュー作でこんなおもしろい作品が書けるなんてすごいです。
佐倉おりこ先生の表紙イラストから、『四つ子ぐらし』を手に取った方も本当に多いですね。
挿絵も一つずつ「かわいい、かわいい」と呟きながら、凝視してしまいますね。
ひのひまり先生、佐倉おりこ先生、これからも素敵な作品を届けてくださいね!
文庫もマンガも楽しみにしています。
応援しています!!
最後までお読みいただきありがとうございました。
ネタバレ感想 記事更新中!!
https://kobe-panmachi.jp/book/yotsugogurashi-9/
https://kobe-panmachi.jp/book/yotsugogurashi-syuppan/