私にも何かできることはないのかな?
大学時代、私も同じようなことを思っていました。
学校に行けないってきっと辛いだろうなと。
とにかく気になるから行ってみよう、そう思ってフリースクールのボランティアに応募してみたのが大学2年の時でした。
文科省の発表によると、不登校が理由で小学校や中学校を30日以上欠席した子供たちは2019年度、18万1272人で過去最多となりました。
そんな子供たちの居場所であり学びの場となるフリースクール。
大学生のボランティア募集を目にすることも多いのではないでしょうか。
不登校の子供たちのことを気にかけているあなた。
今回の記事では、そんなあなたに向けて大学2年から卒業までの三年間、フリースクールでボランティアをしていた私が学んだことをお伝えしていきますね!
ボランティアを始めた当初は、社会経験のない自分にできるのかなという不安もありました。
でも実際に子供たちと関わっていく中でフリースクールには大学生だからこそ果たせる役割がある!と感じていった理由を解説していきます。
合わせて、フリースクールがどんなところでどんなボランティアをするのかもお伝えしていきたいと思います。
また、私が子供たちとの関わる中で壁にぶつかり悩んだ経験をもとに、あなたがフリースクールでボランティアをすることになった時に知っておいてほしいこともお話ししていきます。
この記事を読むことで、あなたが今よりも不登校の子供たちやフリースクールのことを深く知り身近に感じ、新たな行動に繋がっていったら嬉しいです。
フリースクールのボランティア!大学生が適している理由は?
もちろん社会や子育てで重ねてきた経験は絶対に役に立ちます。
ただ、大学生には大学生ならではの良さがあると私は思います。
大学生が適している理由
私がフリースクールのボランティアに大学生がすごく適していると思った理由として以下の点が挙げられます。
- 子供たちと年が近いため打ち解けやすい
- 先生でも親でもなく友達でもない立場が子供にとって心地良い
- 兄弟のように何気ない時間を過ごすことができる
- 勉強もばっちり教えられる
子供たちと年代が近く、つい最近まで高校生だった大学生のお兄さん、お姉さんは、子供たちにとってすごく身近な存在です。
不登校をしている子供の中にはものすごく社交的でお喋りな子もたくさんいましたが、中には人見知りで慣れるまで時間がかかったり、基本的にあまり関わってこない子もいます。
そんな子の隣になんとなくいることで少しずつ心を開いてくれるのですが、やはり特に大学生とは打ち解けやすいようでした。
会話はなくても外でキャッチボールをしたり、隣で漫画を読んでいたり、兄弟のように自然に時間を共に過ごすことができます。
何かを教えたり、導こうとするのではなく、子供たちを受け入れてくれる存在がそこにいることが大切でした。
中には、友達や先生、親との関係がきっかけで学校に行かなくなった子もたくさんいます。
友達でもない、先生でもない、親でもない、大学生のお兄さん、お姉さんには壁を作らずに接しやすいこともあるでしょう。
また勉強を教える場面も多々ありますが、この前まで高校生だった大学生は大活躍です。
もちろん短大生や専門学生も同じです!
フリースクールはスクール毎に方針、理念、形態が様々なので、大学生のボランティアの関わり方や求められることもそれぞれだとは思います。
あなたがいいなと思える関わり方ができるフリースクールでボランティアをすることをおすすめします。
ただ、子供たちの立場に立つと、大学生のお兄さんやお姉さんがいた方がいいというのは普遍的なのではないかと感じます。
ボランティアのお仕事と役割
ボランティアのお仕事のメインが子供たちと一緒に時間を過ごすことです。
フリースクールのボランティアには、社会人、主婦、学生など様々な方がいます。
通ってくる子供たちの年齢もバラバラ。
関わる大人の年齢や立場もバラバラ。
そのバラバラ感が大切なのだと思います。
一つの教室の中に一人の先生がいて同じ歳の子供たちが集まり同じことをやっていく学校とは、全く違う雰囲気を作り出します。
その雰囲気の中で子供たちにとっては、自分の心に目を向け、その意思のもと、リラックスして過ごせる場になっていくのではないかと思います。
フリースクールでは、例えば畑を作ったり、お昼を作ったり、工作をしたり、子供たちが興味のあることに取り組める場があります。
ボランティアは、そんな活動に一緒に取り組んだり、おしゃべりをしたり、時には一緒にぼんやりしたり。
つまりボランティアの役割は子供たちの自主性を尊重しながら、寄り添うことといえるでしょう。
フリースクールの形態はさまざま
そもそもフリースクールがどんなところなんだろうと思っている方のためにお話しますね!
学校に行きたくない、行きたいけど行けない、または行かないことを選択した小学生〜高校生のための居場所であり、学びの場となるのがフリースクールです。
不登校の理由や背景は様々なので、フリースクールも様々な子供たちの受け皿となれるようにそれぞれ多様な特色を持っています。
民間の運営であるため、その形態も決まっていません。
居場所として、または学びの場としての役割を持ち、共通しているのは集団でありながらも一人一人の意思や主体性を大切にしている点ではないでしょうか。
集団でありながらも一人一人の意思や主体性を大切にしている点ではないでしょうか。
また、学習障害や発達障害の子供たちも受け入れ専門家がサポートするフリースクールもあります。
ひとつの例として、私が関わっていたフリースクールの様子についてお話しますね。
そこは、運営者が自宅を開放して子供たちの居場所を提供している形態のフリースクールでした。
平日の昼間、子供たちはスタッフやボランティアと共に、そこで勉強をしたり、本を読んだり、遊んだり、お昼を作ったり、自由な時間を過ごしていました。
長く通ってきている子供もいれば、数日で学校に戻っていく子もいました。
自宅に引きこもっていてフリースクールには通ってこない子供の場合は、カウンセラーである運営者の方が定期的に訪問して、保護者や子供と話をしているとのこと。
大学生のボランティアが家庭教師 兼 話し相手で定期的に自宅を訪問することもありました。
みんなで泊まりがけでキャンプやスキーに行き、自然体験をすることもあり、とても明るく楽しい雰囲気でした。
アットホームで第二の自宅のような場所でしたよ。
民間であるフリースクールはスクール毎に方針や理念がありますし、形態も様々です!
フリースクールのボランティアをする前に知っておきたいこと
フリースクールで私が、子供たちと関わりながら私が気付かされていったこと、また子供たちと接する時に心がけたいと思ったことをお伝えします。
思い出してもらえたら嬉しいです。
不登校の理由も環境も千差万別である
私が出会った子供たちは、家の中に引きこもらずにフリースクールという場まで出てきていた子供たちです。
中には、人とのコミュニケーションに問題を抱える子もいましたが、そうでない子も多くいました。
そして多くの子が音楽や料理、漫画を書くことなど、趣味や得意なことを持っていました。
ボランティアをする前は、不登校の子供たちは家の中に引きこもり気味で内向的な子が多いのではないかという本当に勝手な先入観を自分が持っていたことに気付かされました。
学習障害や発達障害があり、学校生活で本人にとって辛いことが多く専門的なサポートを受けたほうが良い子供たちもいます。
学校生活でのいじめや学業不振、先生との関係などがきっかけで不登校になっている子供もいれば、家庭環境が複合的に絡んでいる場合もあります。
まして思春期の多感な時期ですから、大人からみて些細なことでも、子供たちにとっては重大なことであることも多いのです。
不登校の子と一言で言っても本当に千差万別であることを、子供たちとの出会いの中でひたすた感じ続けました。
子供たちと接する時に心がけたいこと
子供たちと向き合うことは、時に自分自身とも向き合う機会になりました。
その中で私がいつも心の中に入れておこうと思っていた2つのことをお話ししますね。
等身大の自分でいる
一人一人に異なる理由と背景があり、家庭や学校、医療機関との連携が必要なこともあり、それを解決していくのは、大学生のボランティアには難しいことですよね。
私も子供が抱える問題を知っていくうちに自分がとても無力だと感じたのです。
社会経験もなく子育て経験もなく、自信がもてない。
子供たちのほうが学校や家庭で私よりよっぽどたくさんの経験をしていると感じたこともあります。
「先生にいじめのことを相談したら、『先生も他の先生からいじめられているんだ、助けてあげられなくてごめんね』と言われたんだ〜」
と笑いながら話す中学生に、当時の私はなんと言葉をかけてよいか分からず黙ってしまったこともあります。
繊細で感の鋭い子供も多く、大人の心の中を見透かしたような発言も耳にしたことがあります。
悩んだ私が行き着いたにはとてもシンプルで「正直であろう」ということでした。
大人ぶることもなく、機嫌をとることもなく、等身大の自分でいようと。
そう思ったことで気持ちも楽になり、子供たちとの距離も縮まり、信頼関係を築いていけたと思っています。
いつも子供たちの可能性に目をむける
不登校についての認識も変わってきて、子供たちにとって学校以外の選択肢があっていいのだという見方も広がってきています。
しかし一方で、社会から孤立してしまった、人生のレールから外れてしまった、そんなふうに思っている子供や親御さんも多いと思います。
親御さんがそう思う要因として、親御さんの子供の頃は今よりもっと不登校(以前は登校拒否という言葉でしたね)の子供が少なかったことが挙げれるでしょう。
そのため、不登校という状況を受け入れにくいことに繋がっているのではないでしょうか。
とにかく日本では学校に行くのが当たり前だという風潮がまだまだ強いですよね。
でも、子供たちにとって人生は始まったばかり!まだまだこれからだし、たくさんの可能性がある、と思いませんか?
実際に子供たちと関わっていればそんな気持ちに自然となると思います。
あなたがその気持ちを持って子供たちと接していればそれは必ず子供たちに伝わります。
社会には出ていなくても人生の少し先輩であるあなたが、ポジティブなイメージを持っていることが子供たちに安心感を勇気を与えていくはずです。
まとめ
フリースクールがどんな場所なのか、そして大学生のボランティアだからこそできることがあることをご理解いただけたでしょうか。
そして、あなたがフリースクールでボランティアをする時に知っておいてほしいこともお伝えしました。
- フリースクールは子供たちにとって居場所であり、学びの場である
- 年が近い大学生だからこそ、子供たちは親近感を持ちリラックスした時間を過ごしやすい
- ボランティアの役割は、子供たちの自主性を尊重しながら一緒に過ごすこと
- ボランティアをする時は「等身大の自分」で「子供たちのこれからの可能性に目を向けて」子供たちと接することが大切
大学生のお兄さんとお姉さんと良い関係を築くことで、子供たちはリラックスした楽しい時間を過ごせます。
それだけではなく誰かと打ち解けて話すことで、自分を見つめたり視野を広げることができ、それが成長に繋がっていくのです。
難しい話ではなくとても、ゲームのこと、漫画のこと、芸能人のこと、日常の他愛ない話でいいのです。
そして、子供たちと過ごした時間はあなた自身にとっても大きな成長に繋がっていくと思います。
今回の記事が迷っているあなたの背中を押せたら嬉しいです。
あなただからできることがきっとありますよ!