どこに行けばできるんだろう?
絵本の読み聞かせって身近で簡単にできそうで、意外と機会がないものですよね。
私も学生時代に読み聞かせをやってみたかったのですが、どこでできるんだろう、なんて思いながら結局チャンスがないままでした。
母親になった今は、子供の小学校で朝の読み聞かせボランティアに足繁く通っています。
やっぱり読み聞かせって、子供たちの反応がダイレクトなので面白いです。
読み聞かせの面白さに何となく気がついているあなた。
今回の記事では、そんなあなたに読み聞かせボランティアの探し方や読み聞かせのちょっとしたコツも教えちゃいます!
大学で児童文学の研究をしていた私は、卒業後もずっと絵本の世界に魅了され、たくさんの絵本を読んできました。
今の私は「読み聞かせボランティア」という形で絵本に関わっているので、読む絵本もつい「これ、読み聞かせに良さそう」という視点で見てしまいます。
気軽に始められるけれど、実は奥が深く年を重ねてもずっと続けられるボランティアだと思います。
そんな私の思いも一緒にお届けしていきますね。
読み聞かせボランティアをやってみたい大学生!参加方法は?
読み聞かせは保育園や幼稚園、学校、児童館、図書館、などで広く行われています。
対象は子供だけではなく、大人のための読み聞かせ会もあり、高齢者施設などでも行われています。
読み聞かせボランティアの探し方
まずは、あなたが読み聞かせをしたい地域でボランティア募集があるかどうかをwebや広報物で探してみましょう!
webの場合は、「地域名」と「読み聞かせボランティア」で検索すると、ボランティア募集している市区町村の図書館や読み聞かせボランティア団体を見つけられるでしょう。
学生、社会人、子育て中の方、など対象を限定している募集は、ほとんどないので学生のあなたも安心してくださいね。
読み聞かせボランティアには幅広い年代の人が関わっているのです。
ちなみに私が参加している小学校の読み聞かせボランティアについてお話ししますね。
全国の小・中・高等学校の多くで「朝の読書」活動が行われています。
朝の10分から15分間、子供たちは自分が持参した本や学校の本を読んでいます。
その「朝の読書」の時間に保護者が子供のクラスに行き、読み聞かせをする日があり、私も参加しています。
基本は一人で一冊の絵本を読みます。
厚めの本の一部を読み、「続きを読みたい人は図書館にこの本があるよ」と案内してもOKです。
学年の終わりには、大勢の保護者が集まり、紙芝居や大型絵本を読むので、子供たちもとても楽しみにしてくれています。
この「朝の読書」時間の読み聞かせボランティア。
読むのは、先生や保護者に限らず、地域の人が参加できる学校もあるのでぜひ調べてみてくださいね!
読み聞かせのノウハウを学んでから実践したい場合
そんなあなたには、各地の図書館や団体が開催している読み聞かせの講習会、講座に参加することをおすすめします!
講習会では読み方だけではなく、絵本の持ち方やめくり方から、選書の仕方、読み聞かせイベントの組み立て方なども広く学べますよ。
参加した後に、希望者は図書館や団体が行う読み聞かせ会でボランティアとして活動していける仕組みになっていることも多いです。
また講習会で出会った仲間と読み聞かせグループを立ち上げて活動を開始するというケースもあるようです。
読み聞かせの準備とコツを解説
読み聞かせボランティア、最初は誰もが緊張してしまうと思います。
何より楽しもうという気持ちで臨みましょうね!
ここでは、読み聞かせを成功させるための事前の準備や知っておきたいコツについて解説していきます!
絵本の選び方のポイント
読み聞かせをするにあたり、どんな絵本を読むのかということはとても重要です。
読み聞かせにおすすめのタイトルはweb等でも調べられますが、さらにその時のイベントに適したものを選びましょう。
その際にポイントとなる以下の5点になります。
順番に解説していきますね!
- 対象年齢は?
- 持ち時間は?
- 会場の広さは?
- 季節やイベントの目的は?
- プログラム全体の流れは?
対象年齢は?
どういった人たちに向けて読み聞かせをするのでしょうか。
例えば、未就園児、未就学児、小学生、中学生、高校生、高齢者などなど。
その時のイベントにより異なりますよね。
対象年齢にあった絵本を、各地の図書館や団体がwebで多数紹介しています。
実際に読み聞かせをしている方々のおすすめなので、すごく参考になりますよ!
絵本の紹介と販売を行うサイト「絵本ナビ」もおすすめですよ。
絵本ナビのサイト内にて「読み聞かせ」で検索すると対象年齢にあった絵本のリストを見ることができます。
絵本を画像で見ることができて、ためし読みもできるのが嬉しいです。
持ち時間は?
イベントの中であなたの持ち時間が何分なのか、あらかじめ確認しておきましょう。
読み聞かせは、思っているより時間がかかります。
一人で黙読 < 一人で音読 < 複数の前で読み聞かせ
この順番でかかる時間が長くなっていきます。
私は本番を迎える前に必ず時間をはかってみます。
子供たちが目の前にいることを想像しながら読んでみるのですが、本番は大抵それ以上に時間が長くなってしまいます。
なぜなら、読み聞かせはライブで、子供たちがいろいろなリアクションをくれるからです。
「わあ」と驚いたり、「きゃあ」と怖がったり、「それ知ってる〜」とか「まただ〜」とか「なんで〜」などの声が聞こえてきます。
こちらもそれに応えたり、ざわざわしていたら少し読むのをまったりしていると、思った以上に時間がかかります。
時間を気にしながら駆け足で読むのはもったいないので、余裕を持って読める長さの絵本を選びましょうね。
会場の広さは?
どんな場所で読み聞かせをするのでしょうか?
会場の広さや自分の場所を把握しておきましょう。
あなたは立って読むのか座って読むのか、聞く人たちは椅子に座るのか床に座るのか、確認しましょう。
それらの情報も絵本を選ぶ際にとても重要になります。
広い会場の場合は、ある程度大きさのある絵本がいいですよね。
絵も大きくはっきりしたもののほうが後ろの人たちまで見えるでしょう。
また、会場によっては横に広い場合もあり、絵本を正面にだけ向けていると端のほうにいる人は見えないこともあります。
縦長よりは横広の絵本を選んだ方がいいかもしれません。
でも、どんな形の絵本であっても読むときに絵本をゆっくりと半円上に動かすことで端の人にも見えますので、そんなに気にしなくても大丈夫です。
会場を頭に入れた上で読む練習をしたほうが本番もうまくいくので一石二鳥ですね。
季節やイベントの目的は?
季節感のない絵本でももちろんOKですし、季節感を取り入れた物語や科学絵本を選ぶのも楽しいです。
春ならお花や蝶々、夏ならお祭りや海水浴、秋なら木の実や山、冬なら雪遊びや動物の冬眠、などなど。
イベントの目的に合わせるのもいいですね。
例えば、クリスマス会だからサンタクロースの話、卒園のお祝いなら卒園や入学の話、ハロウィンなら魔女やカボチャの話、など。
イベントの雰囲気や飾り付けともマッチすると盛り上がりますよね!
私が小学校で読み聞かせをする時は、普段の子供の話を参考にして、こんな感じでタイムリーなものを選んだりしていますよ。
・朝顔を育てているから朝顔のお話
・おいも堀りに行ったばかりだから野菜を育てるお話
・運動会が近いからお弁当のお話
・最近ケンカが多いらしいから友達をテーマにしたお話
・授業数が多くて疲れていそうだから笑えるナンセンスもの
その時に合った絵本は何かなと選ぶ作業は、聞く人たちの反応も想像しながらとてもワクワクするものです。
プログラム全体の流れは?
あなたの出番はイベントのプログラムのどのあたりなのでしょうか。
例えば、イベントの冒頭ならば、リラックスできて場をあたためるような絵本がいいいと思います。
休憩の後ならば、みんなをグッと惹きつけるようなユニークな絵本にしようかなとかイメージしてみてくださいね。
あとは他のボランティアがどんな絵本を読むのかも重要です。
重ならないようにするのは必須ですが、内容や絵が似ているものも避けて、メリハリをつけたほうがいいですね。
私が小学校で読み聞かせをする際は、数人のボランティアで一冊ずつ順番に読むこともあります。
その場合は事前に相談して、さまざまなジャンルをバランス良く入れるようにします。
例えばつい先日の場合。
妖怪、鬼などの怖めのお話を読むという人がいたので、私は明るい冒険物を、もう一人は宇宙のお話を読みましたよ。
読み聞かせの最大のコツ
読み聞かせをする時の最大のコツは、対話する気持ちで読む、ということです。
以下のことも読み聞かせの重要なポイントではありますが、これらは言ってしまえばテクニックです。
聞きやすい大きさの声でゆっくりと読む
ページはゆっくりとめくる
見やすい高さと向きで読む
私はそれよりも、聞いている人たちの反応を楽しみ、心の動きを想像しながら読むことが大切だと感じています。
一人一人の顔を見ながら、時にアドリブを入れたり「次はどうなるんだろうね」と質問を投げかけることもあります。
そういったライブ感がある時の方が聞いている人は活き活きとした表情になります。
聞く人の想像力を自由に広げるために、なるべく淡々と読むほうが良いという読み聞かせのスタイルもあります。
団体によってはそのような方針でメンバーが共通認識を持って活動していることもあります。
どちらが正解ということではないので、対象や場に応じていろいろ試してみたらあなたなりのスタイルができていくと思います!
まとめ
読み聞かせボランティアの参加方法、絵本の選び方、読むときのコツについてご紹介してきましたが、いかがでしたか。
- 市区町村の図書館やボランティア団体で読み聞かせボランティアの募集をしている
- まずは読み聞かせボランティアの講習会に参加し、そこで活動をスタートすることもできる
- 多くの読み聞かせボランティア募集は対象を限定していないので学生も参加できる機会はたくさんある
- 絵本を選ぶときは、対象年齢、時間、会場、イベント、プログラム内容をしっかり確認する
- 読み聞かせの最大のコツは対話する気持ちとそれがもたらすライブ感
読み聞かせは、その場にいる人たちと一緒に過ごす素敵な時間をもたらしてくれます。
あなたが想いを込めて選んだ絵本をみんなで囲みながら、聞く人それぞれの心に何かを届けます。
何を受け取るかは聞く人次第。
押し付けられることではありません。
その自由さが読み聞かせや絵本の大きな特徴で、私がこの世界にずっと魅了されてきた理由なんだと思います。
だから肩肘を張らなくてもいいのです。
読み聞かせを聞いてくれる人たちと一緒にあたたかい時間をふんわりと作りましょう。
あなたがはじめの一歩を踏み出してくれたら嬉しいです。