神戸パンのまち散歩

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2016/11/30 (水)

パン子のPANPO|クロージング・トーク vol.3 「サ・マーシュ 西川功晃シェフ」

「KOBE パンのまち散歩」オープニングイベント「KOBE パントーク2016」の際にもご協力、ご登壇頂いたシェフの皆さまに、クロージング・トークとして2016年の神戸PANPO、そして神戸という街とパンとの関わりなど、シェフそれぞれの想いを語って頂き、そのインタビュー内容をお届けしています。

第三回目、最終日の今日は、サ・マーシュの西川功晃シェフにお話を伺ってきました。

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–パン子(以下略パ):パンのまち散歩とPANPOへのご参加、ありがとうございます。会期途中でパンの種類も変えて頂いて…

–西川シェフ(以下略西川C) : えっ、何で知ってるの?

–パ: いや、それは普通気づきますよ(笑)。何度か買いに来てるので(笑)

–西川C: そうなの(笑)?あれはもう、感じとしては、サッと準備してバーっと一挙に作ってしまって。数も作らなくちゃいけないし、時間かけるより、生地見てて「ほら美味しいぞっ」てタイミングでバっと分割して焼くって感じ。切りっぱなしで成形しないし、自由な感覚で。
大きさもできるだけ小さく、一口で食べてもらえるような…ベビーカステラ的な感じね。

–パ: 確かにベビーカステラという感じ、わかります。小さいのが6個とか7個とか袋にザザっと入ってて、みんなで袋から分け合える感じですよね。

–西川C: だってPANPOってそういうイメージでしょ?みんなで連れ立って神戸に来て、「私あっちの買ってくるわ」って買ってみて、持ち寄って食べるみたいなのがいいんじゃないかなと、そんな感じで作ってます。

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–パ: こんなパンで今年のPANPOは行こう!みたいなイメージとか、そういうのはいつ頃とかどんな感じで思いつかれるんですか?

–西川C: いつ頃というか、そろそろやな~と思い出した頃合いで(笑)材料仕入れるのに連絡して、あんな材料こんな材料と書き出して、そこからこれでいこうかなと決めて作る感じかな。で、その材料の在庫が切れる頃に、第二弾で何かハムっぽいのと考えて作ったのがこれね(目の前にPANPOパン登場)。

–パ: 前半のフルーツのも、後半のハムのもそうなのですが、こんな小さいのに具がものすごく入ってるんですが。すごい贅沢感と食べごたえのある感じです。

–西川C: パンが小さいから具をしっかり入れて、ポンと口に入れたときに「美味しい」って思えるように味をハッキリさせないと。分け合った時に、1個ずつしか食べられなくても、ちゃんと印象に残るように。ただ、フルーツをあれだけ入れると結構デザートっぽくて、普通はブリオッシュにするんだろうけど、PANPOは食べやすいことが大事だし、敢えてシンプルにコンプレ(注:全粒粉を一部混ぜたパン生地のこと)の生地でパンらしい噛み応えも大事に作ってみました。これが常連のお客様にもなかなか好評ってスタッフから聞いてます。

–パ: そうですね、サ・マーシュさんのPANPOは前後半でキャラクターが違うこともありますが、結構幅広い層に向いている気がします。サ・マーシュさんはPANPOに初回からずっとご参加頂いていますが、全回を通じての感想などはいかがでしょう?

–西川C: 神戸マルシェとか、色々と関わりをもっている企画はあるけど、お客様に来て頂いて、いかに喜んでもらえるかってことが一番大事なわけで、それを一丸となって目指す上では、参加の基準とか水準とかはやっぱり要るのかな…とは思うかな。どう、来年コンテストみたいなのするとか(笑)?

–パ: 来年は何か進化系PANPOになりそうな予感が…そのご相談はまた先にするとして…えっと、PANPOの袋の中身とかPANPOのことについて先に伺いましたが、シェフが感じるPANPO期間中のお客様の変化みたいなものは、何かありますか?
–西川C: その辺はよく分かんないかな…元々お客様の多い時期だし、でも確かにマップを持って来られているお客様は多いし、年々増えているとは思うかな。実はPANPOのパンは常連のお客様もかなりお買上げ頂いているみたいだけどね(笑)。

–パ: PANPOをキッカケに他府県から神戸に来られる方に「これぞ神戸」というか「神戸のパンとは?」と伝えるとすれば、なんでしょう?特徴や特色などということですが…

–西川C: それは…何かなぁ…うーん、難しいね(しばらく考えられて)それ難しいと思う。それぞれの店舗でシェフがそれぞれの個性でパンを焼いて、それが集まって各地の地域性ってできることだから。神戸のイベントだから、神戸の特産品を使わなくちゃっていうことでもないし、 それが材料として自分が「こんな感じで作りたい」って商品に合っていれば使うし、この土地でモノ作りをしている自分らしさとか自分の特色が出ればいいんじゃないかなと思う。

–パ: たしかに、そういうことが集まって街が形成されているってことですよね。

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–パ: では少しサ・マーシュのお店についての話になりますが、PANPOのパンも含め、今現在は店頭に何種類ぐらいパンが並んでいるんでしょうか?

–西川C: 今の時期で土日だと100種類ぐらいかなぁ。平日はちょっと少なめで、様子見ながら調整している感じですね。

–パ: 毎回来る度に何かしら新しいパンがあるように思いますが、新商品を思いつかれるキッカケやタイミング、また今関心のある素材やテーマなどはなんですか?

–西川C: こういうパンを作ると決めて材料を選ぶというよりも、出会った素材に合わせてパンを作っていて、こうしたらいいかも、ああしたらええんちゃう?って考えつつ作っているんですよ。焼きあがったものをみて微調整して、日々の発酵具合とかに合わせてパンを作って、材料がなくなったら次の材料でまた色々考える。だから完成品ってことがないし、ルセット(注:レシピの意味)も書かないし。
常に「これはこう作る」ってベースになるものは頭にあるし、講習会とか記事になるとか言う時は頑張って書くけど(笑)、普段はメモとか残さないですよ。パンは生き物だし、天気とか状況によって調整していくものだから。だから周りのスタッフがメモを書いている時はラッキーって思う(笑)
昨日は美味しいホウレン草がイッパイあって、それをドッサリ入れてパンを焼いてみたんです。オリーブオイルと塩パラってだけのシンプルでほとんど味付け無しで、ホウレン草を食べてほしいという感じで作った、めちゃめちゃシンプルなパン。多分チーズをパラパラってのせて焼いたほうが、チーズのパンという見た目でお客様はもっと買って下さると思う。でもボクはホウレン草のパンってことで売りたい。だから「えーっ、ホウレン草だけ?」って言われても、そのパンにチーズは使わない。他にチーズのパンあるしね(笑)美味しくてイイものならば、絶対売れる。こういうパンじゃなきゃ売れないとか、そうじゃなくて、そこは我慢と工夫と努力ね。信念っていう我慢も大事ね。
あと、例えばそのホウレン草のパンだと、50%ぐらいはホウレン草が入っているんですよ。だから同じ大きさで同じ重さの具のないパンと比べると、パン生地として食べる量は当然半分になる計算です。栄養バランスとかミネラルとかは普通に大事だけど、最近関心の高いロカボ(注:食事の際に糖質の摂取を控えめにすること)の観点からみて、ホウレン草を沢山入れることで糖質を抑え気味にできるってことなんです。この辺はすごく興味があって、実際に自分でやってみるとなるほどと思うしね。パン屋だから全部低糖質っていうのは無理だけど、どの業界でもこれから先、そういう少しずつ置き換えるみたいな流れは出来てくると思うんですよね。
体が健康だったら美味しく沢山食べられるでしょ?美味しく沢山食べてほしいから、みんなの健康はすごく大事で、それをすごく意識する。自分でも身体動かさないと思って、街を歩いてみるといろんな発見があって、すごく面白いんですよ。道の歩きやすさとか、歩道の広さとか、今とても興味があって、健康な街作りを考えたいなと思って、パン屋であり食に携わるものとしてどういうアプローチができるのかを常に考えています。

–パ: それではシェフ、最後の質問ですが、これからこんなパンを焼きたいとか、こういうことをしたいとか、シェフの夢や目標をお聞かせ下さい。

–西川C: パンは感覚の話なので、まぁ頑張ります(笑)やりたいことはね…街やコミュニティ作りに関わるということと、あと、あの人に会って話を聞いてみたいとか、セッションをしてみたいというのが沢山あって、それを叶えていきたいと思っています。型に嵌めずに、興味の幅やアンテナを自由に伸ばして進化していきたいし、パンも完成形はないけど、自分もそうかなと。常に進化系で、まだまだこれから変わっていって、ずっと完成形はないって感じ。最近そういう自分らしさに気がついたんですよ。ただ、周りには「えっ、今頃?」って言われたけど(笑)

PANPOや神戸だけにとどまらず、全国規模で色々な企画やプロジェクトに携わっておられ、関わるからにはそれぞれ全力で取り組まれる西川シェフ。今回1時間半ほどお話を伺い、それをダイジェストで掲載させていただくのですが、お話頂く中で、西川シェフが「パンが美味しいこと」だけでなく、その先にある「美味しく食べるために何をするのか」、そのためにいかに街や社会に関わるのかということを常に強く意識しながら行動されているのが、すごく伝わってきたように思います。西川シェフの考えるコラボ企画、実現していったら相当面白そうなものがイッパイです。これからのご活躍も楽しみ、ますます目が離せませんね!
西川シェフ、貴重な時間とお話、ありがとうございました!

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